「人から褒められたい」「認められたい」という“承認欲求”は、社会性を持つ生物特有の欲求の1つで、決して悪いものではありません。
しかし、それが過剰すぎたり・表に出過ぎたりすると、相手との軋轢を生む原因となってしまいます!
今回は、そんな承認欲求についてと、承認欲求が高い人の特徴について詳しく紹介していきます!
承認欲求とは?
意外と知られていない事実として、“承認欲求”には「他者から認められたい」というものの他に、「自分を価値あるものと認めたい」という自己承認欲求というものが存在します。
心理学上では「他者承認欲求」を低次の欲求、「自己承認欲求」を高次の欲求として扱います。
これは、「他者承認欲求」は”相手から認められる”ことで完結する欲求なのに対し、「自己承認欲求」が”自分が満足するレベルまで己を高める“という違いに起因しています。
問題視されている承認欲求
SNS上でたびたび問題となっている「メンヘラ」「病み垢」と呼ばれる人たちは、特に前者の「他者承認欲求」が高すぎるが故の行動ということになります。
高次の欲求である「自己承認欲求」については、自分の中でしか解決できない欲求であるため、他人に不快に思われたり、迷惑をかけたりすることはほとんどありません!
そこで、本記事では低次の欲求である「他者承認欲求」を基に話を進めていきます。
承認欲求が強い人の特徴5選
“承認欲求”が強い人には、性格や過去に共通した特徴を持っていることが多いです。
今回は、そんな承認欲求が強い人の特徴について5つピックアップしてご紹介していきます!
①成功体験が少ない
“承認欲求”は、特に「自分に自信が無い」「今の自分に満足していない」という感情を基に生まれます!
そのため、途中で投げ出してしまった物がある人や、他人から褒められるような成果(例えば試験合格や大会入賞など)が少ない人は、承認欲求が高くなる傾向にあります。
逆に、ある程度の実績や経験がある人の場合、「満足できない」と感じることがあっても、その意識が「自分を高める」方向(”自己承認欲求”)に働く傾向が強いのです。
こうした理由から、「成功体験の少なさ」が「他者承認欲求」に直結しやすいというわけです!
②過去の栄光に囚われている
“承認欲求”の高さは、「華々しい過去の自分」と「みじめな現在の自分」のギャップに起因することも多いです。
これは①で話した内容「ある程度の実績や経験を持った人」のうち、“自己承認欲求”に昇華できなかった人に多いです。
なぜこのような状況になってしまうのかをざっくり説明します。
例えば、「今までは認められていた自分」が突然評価されなくなってしまったとします。
それを「今まで評価されていたのに、いきなり評価されなくなったのは”社会が悪い”」と逃避的な責任転嫁を行うようになり、過去に自分が受けていた賞賛と同等の承認を求めるようになります。
とはいえ、それは本人の性格や意思ではなく、自己嫌悪に陥るのを本能的に避けている(生存本能の一種)にすぎないのです。
簡単に言うと、過去のある時点で「認められている自分」に満足してしまって、その後の努力を怠った結果、現在の「認められていない自分」を”相手や社会のせい”にして責任逃れしようとしているというわけです。
これら①,②の内容は支配欲の強さにも関わってくるので、こちらも参考にしてください!⤵
③十分な愛情を受けられず育った
親からの愛情というのは、人格形成において最も重要な要素の1つです。
それを実証した興味深い実験があるので、併せてご紹介します。※非人道的な側面を含みます。
フリードニヒ2世による養育実験
今からおよそ800年ほど前、神聖ローマ帝国皇帝”フリードニヒ2世”が以下のような実験をしました。
『100人の赤ん坊を2つのグループに分けて世話をする。片方は普通に、もう片方は赤ん坊と①目を合わせず②笑いかけもせず③語りかけたりもしない。それ以外は同じ条件とする。』
この実験の結果、「愛情を向けられなかった」グループはみるみる衰弱していき、なんと実験終了時まで生き残った赤ん坊はただの1人もいませんでした。
つまり、(特に成長段階の)人間にとって「無視」は「生存」よりも優先順位の高い事柄といえます。
自分の呼びかけに反応が無かったり、意図的にでも無視されたりすると「言いようもない不安」を感じるのはこのためであると言われています。
昨今でも、こうした「無視」をするいじめが横行していますが、冗談でもやめておきましょう。
④恋愛においてトラウマ(苦手意識)がある
前項で述べたように、“愛情”と“承認欲求”には深いつながりがあります。
その中でも恋愛は、特に相手から認められる「他者承認」との関係性が非常に強く、承認欲求にも深く関わってきます。
恋愛において大きな失敗や裏切りに合った経験のある人は、この「他者からの承認」に対して懐疑的になってしまうことが多いです。
こうして、通常であればきちんと「承認」として処理される事柄でも「本当かな?」と疑ってしまい、いつまでたっても承認欲求が満たされなくなってしまうのです。
いわゆる”メンヘラ”と呼ばれる人たちが過度な束縛をしてきたり、異性からの愛や恋愛に飢えているのは、このタイプが多いからです。
“束縛”についてまとめた記事もありますのでよろしければそちらもどうぞ!⤵
⑤周りの人を見下している
“周囲の人間を見下す”傾向にある人も、承認欲求が強い場合が多いです。
このタイプは、受験や就活に失敗して滑り止めの学校・職場に通う方に多いです。
「このレベルであれば、自分は認められて当然」と無意識に感じていたり、承認されないことによる自信の喪失を恐れていることが多く、承認欲求が強くなることが多いためです。
このタイプはプライドの高さ故に、表立って承認を求めることがほとんどありません。
そのことから、実害が少なく比較的安全ともいえます。
承認欲求が強い人とのうまい付き合い方
承認欲求が強い人は、言うまでもなくそれを「満たす」ことを目的としています。
こうした人とうまく付き合っていく方法として、大まかに2パターンのやり方があります。
具体的には以下のようなものです。
承認欲求を満たす
- 頻繁に褒める
- 他人と比較して能力・成果を認める
- 分かりやすい成功を体験させる
- 努力を促したり、夢や理想を語ることで「自己承認欲求」に昇華させる
承認欲求を刺激しない
- 他人と比較するもの(成績など)に関する話題を避ける
- 恋愛の話題を振らない
- プライドを傷つけない
などがあります。
「他者承認欲求」は、他人や自分の過去との比較に基づく場合が多いので、その点を意識して行うのがポイントです!
まとめ
今回は、承認欲求とその特徴、うまく付き合っていく方法についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
このほかの記事についても興味があればぜひご覧になっていってください!
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