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【心理学】”常識”が覆る!?パラドックスを紹介

心理学のパラドックスのサムネイル 心理

皆さんは”パラドックス”という言葉をご存じでしょうか?

日本語で”逆説”を意味するこの言葉は、「理屈で考えれば当たり前であると感じていることが実は誤りで、真実は逆である」ということを示すものです。

何を言っているのか分からないという方も多いと思うので、本記事ではそれらを、例を交えながらご紹介していきます!

パラドックスとは?

疑問の提示

“パラドックス”を厳に定義しているのは主に数学分野とされ、「正しそうに思える前提と推論から、受け入れがたい結論が得られる」という意味を指し、”背理”、”逆理”などとも呼ばれます。

そして、数学においてパラドックスは①前提として置いたいずれかの条件が誤りである②推論が誤りであるために矛盾が発生しているという構造があります。

しかし、前述のようにその他の学問を含む広義では「一見正しいと思えることと真実は逆である」という事象をラフに捉えるものなのです。

本記事では心理学に関するパラドックスを考えていくため、広義の意味での”パラドックス”を考えていきます。

常識を覆す!?心理学のパラドックス

1つだけ黄色い傘

パラドックスについて理解が深まったところで、さっそく本題に入りましょう!

以下では普通に考えればありえない、奇妙な事象について事例と解説を交えてご紹介していきます。

成功のパラドックス

夕日を背景に登山を達成する少年

集団の中で成功をおさめ、多くの人に称賛される。「なれるものならそうなりたい」と考えるのが自然だと思っていませんか?

実は、人には“成功回避欲求”という、成功を避けようとする欲求が存在するのです。

何が言いたいのか分からないという方も多いと思うので、例を出して説明します。

成功回避欲求

授業中、問題の答えが確実に分かっているにも関わらず、「分かる人は手を挙げてください」という教師を前に、手を挙げずに黙っていたという経験はありませんか?

これがまさに”成功回避欲求”による行動の1つで、「成功することで集団の中で浮いてしまう・注目される」ことを避けようとするものです。

特に同族意識の強い日本人によく見られる性質で、「出る杭は打たれる」ということを強く意識しているためであると考えられます。

欧米ではこれとは真逆で、間違っている可能性があってもどんどん手を挙げ発言権を得ようとする傾向が強く、日本の小中学校で在日外国人の子供がイジメに遭いやすい原因の1つにもなっています。

労働のパラドックス

労働に絶望する人形

仕事で手が回らなくなった時、経営者が取るべき行動は何でしょうか?

もちろん、正社員やバイトを雇って仕事を分担することです。

そして、人数が多ければ多いほど1人あたりの負担が減り、楽になっていくことは当たり前のように思っていませんか?

実は、必要以上に人員を集めるとむしろ仕事の効率が下がっていき、人が増えているのに負担も増えていくという、一見矛盾した現象が起こります。これを“リンゲルマン効果”と呼びます。

リンゲルマン効果

“リンゲルマン効果”が発生する要因はいくつかあります。

例えば、”責任”、”目標”、”コミュニケーション”が分散することで、集団への帰属意識が下がったり、純粋に手間が増えることがあります。

他にも、監視の目が減ってサボる人が増えたり、同調圧力や前述の”成功回避欲求”などによって本来のポテンシャルを発揮しなくなることも挙げられます。

まさに“過ぎたるはなお及ばざるが如し”というわけです。

満場一致のパラドックス

大人数で仕事を進める人々

皆さんは、“多数決”において最も危うい選択肢をご存じでしょうか。

「票数が僅差になったもの」、「一票も票が入らなかったもの」などさまざまなものが考えられますが、実は最も危うい選択肢とは“満場一致で可決された結論なのです。

多数決の意味を根底から覆すようなことですが、いったいどういう意味なのでしょうか。これについては“認知バイアス”というものが深く関わってきます。

認知バイアスについてはこちらの記事も参考になるので、気になった方はぜひ!⤵

認知バイアス

“認知バイアス”とは、簡単に言うと「情報による先入観」のことで、例えば①無精髭を生やした浮浪者②真面目そうな会社員が容疑者であるなら、どちらが犯人だろうかという問いに「①の人」と答えるようなことです。

「自分の発言に責任を負いたくない」「誰かが間違いを指摘するだろう」という心理から、より責任の少ない多数派を無意識に選んでしまうことなどが、満場一致の結論を疑うべき理由の1つです。

実際に、冤罪事件の多くは証人全員が間違った犯人を指摘していること、独裁・戦時中の国家では国民がその異常性に全く気付かないこと(例:第二次世界大戦中のドイツ、2022年のウクライナ侵攻など)もそれを裏付けています。

否定が限りなく少ないような結論は、こうしたバイアスや印象操作を受けている可能性が高いため、客観的に物事を捉える視点を忘れないようにしましょう!

まとめ

今回は、心理学における興味深いパラドックスについてご紹介しましたがいかがだったでしょうか。

自分の中の常識を過信することなく、冷静な判断力を持って行動することを心掛けましょう!

このほかの記事についても興味があればぜひご覧になっていってください!

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