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【心理学】”やらない後悔”が忘れられないのはなぜ?反実仮想

やらずに後悔、非行為後悔と反実仮想 心理

「やらない後悔より、やって後悔」という言葉があるように、人は実際にやってみて後悔する方が案外すっきりと立ち直れるものです。

実は、これは「反実仮想」という心理が働いている影響が大きいとされています。

今回はそんな“2つの後悔”“反実仮想”について分かりやすくご紹介していきます!

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行為後悔と非行為後悔

自信のない男性

みなさんは、“行為後悔”“非行為後悔”という言葉をご存じでしょうか。

読んで字のごとく、行為後悔は「やってみた結果の後悔」で、非行為後悔「やらなかった結果の後悔」に該当します。

ここで思い返してみてほしいのですが、皆さんは

先生や保護者に怒られたり、盛大にやらかしてしまった

というような、実際にやってみて後悔した経験と

勇気が出ずに、好きな人に告白できなかった

受験勉強をもっとしておけばよかった

というようなやらずに後悔した経験。どちらが多いでしょうか?

多くの方が後者の「非行為後悔」の方が多いと感じたのではないでしょうか?

“なぜそのように感じるのか”について心理学の話を踏まえて簡単に解説していきます。

立ち直りが早い”行為後悔”

谷でジャンプする男性

まずは、「行為後悔」がなぜあまり尾を引かないのかについて簡単に説明します。

あたりまえの話ですが、やってみて後悔するということは実際の結果を身を持って体験しているということになります。

つまり、今後似たような状況に陥っても「結果が分かっている」ため、深く考えて迷うどころかほとんど時間をかけずに決断し、行動していることが多くなります。

そして、その経験が多くなる・時間が経過するほどに、みるみる関心がなくなっていき、いずれは後悔そのものが思い出に移り変わっていくのです。

“非行為後悔”と反実仮想

後悔している女性

では逆に、「非行為後悔」が尾を引きやすいのはなぜなのでしょうか?

それに深く関わってくるのが“反実仮想”という心理です。

反実仮想とは、実際にはやっていないことを、もしそれをやっていた場合こうなっていたのかも」と思い浮かべることを指します。高校の古文でも使われる用語なので、聞き馴染みのある方も多いのではと思います。

ではなぜ反実仮想非行為後悔に深く関わってくるのでしょうか。

第一に、”行為後悔”に対して“非行為後悔”は、その行為の結果が定かではありません

そのため、その状況を想起させる・直面する度に「これをやっていたら、今ごろどうなっていただろう」と有り得たかもしれない結果に意識を向け、反実仮想を引き起こします。

それが繰り返される度に記憶は強固になり、後悔が尾を引くようになるというわけなんです!

これを裏付けるものとして、筑波大学がおこなった興味深い実験があるので紹介します。

「やらずに後悔よりやって後悔」は本当か?

大学の図書館

まず、筑波大学の学生70人に対し、以下のような5つのストーリーを用意します。

受験(合格率の低いの第一志望or合格率の高い第二志望)、恋愛(告白or行動しない)、スキー(景色は良いが危険なコースor安全な初級者コース)、転職(するorしない)、株式投資(ハイリスク・ハイリターンな銘柄を買うor安定銘柄を買う)。

これらは全ての選択肢が失敗に終わります。例えば「転職」すれば前の会社よりもブラックだと分かり、「告白しない」選択をすれば、のちにその人が自分のことを好きだったと分かります。

そして、その時点での後悔の度合いと1年後の後悔の度合いを測るのがこの実験の目的となります。

この実験では、イベント直後の後悔では「行為後悔(リターンの高い方を選ぶ)」の組の方が後悔の度合いが少なく、その上1年後では後悔の度合いの差がさらに大きく広がることとなりました。

結論として、「行為後悔」のグループはそもそもの後悔が少なく済むうえに、時間経過で後悔が薄れていったのに対し、「非行為後悔」のグループはイベント直後の後悔が大きく、時間経過でさらに後悔が増していく結果となったのです!

特に「スキー」や「転職」のような、チャンスが一度きりでないものは、その傾向が顕著に表れていたようです。

まとめ

まとめとして、特に「何度も挑戦できる」ことに関しては迷わず挑戦してみるべきで、「一度きりのチャンス」についても、挑戦しないよりは挑戦する方が後悔が少なく済むことが分かりました。

ただし、あくまでこれは失敗した場合に限った話であるので、「当たって砕けろ」という意味ではなく、「どうせ後悔するならより後悔の少ない方」を意識して、きちんと選択肢を吟味することを欠かさないようにしてください!

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